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Shen, X.*; 日引 俊*; 孫 昊旻; 中村 秀夫
Proceedings of 9th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-9) (CD-ROM), 10 Pages, 2014/11
新型沸騰水型原子炉ESBWRの炉心上部のチムニーなど大口径の垂直矩形流路では、気液2相流の液相速度勾配や気泡分布は大口径円管と異なる可能性がある。一方、大口径の矩形流路内については、ボイド率や液相速度、気泡径などの分布に関する報告はあるが、3次元気泡速度や界面積濃度等の流れ構造を詳細に示すパラメータについては報告がなされていない。本研究では、安全解析に用いる流動モデルの信頼性向上等に資するため、それらの詳細計測を行った。実験では、1辺が100mmの正方形断面テスト部を用いて鉛直上昇流のボイド率、界面積濃度、気泡径や3次元気泡速度など主要パラメータの断面内分布を4センサ光プローブを用いて計測し、液流量の増加に伴って、ボイド率と界面積濃度の分布が壁面ピークから管中心ピークに変化することや、主流方向の気泡速度が管中心ピーク分布を持つ結果を得た。更に、断面内の気泡速度分布の結果から、断面内循環流が対称8分の1三角形領域に存在し、液流量に伴って速度が増加することを明らかにした。
小瀬 裕男*; 高瀬 和之; 吉田 啓之; 叶野 琢磨; 秋本 肇
第18回数値流体力学シンポジウム講演要旨集(CD-ROM), 6 Pages, 2004/12
原子炉における冷却材の複雑な伝熱現象や相変化を含む混相流挙動に関する物理的メカニズムの詳細を数値的に解明し、また、原子炉燃料集合体をフルサイズで模擬した体系下で熱流動挙動の詳細を計算機上に再現することを目的として、地球シミュレータ等を利用した大規模シミュレーション技術の開発を行っている。本報は、技術開発の一環として行った将来型水冷却炉内二相流挙動の3次元予測結果について述べる。本提案の解析手法によって、狭隘流路を有する将来型水冷却炉の燃料集合体内の3次元水-蒸気分布の詳細を数値予測できる見通しを得た。また、気液界面の二相流構造,気泡の合体・分裂メカニズムに関して有益な知見を得た。
佐竹 信一*; 功刀 資彰*; 内藤 宣仁*; 高瀬 和之; 小瀬 裕男*
第18回数値流体力学シンポジウム講演要旨集(CD-ROM), 4 Pages, 2004/12
乱流は原子炉内でよく見られる現象であり、流体中の乱れのエネルギーによって伝熱機構や流動パターンが大きく変化することがわかっている。特に、磁場中においては流路内の速度分布は壁近傍で特有の速度勾配を持つことが指摘されている。そこで、磁場中における大規模乱流構造を直接計算によって調べた。基礎方程式は直交座標の3次元非圧縮性Navier-Stokes方程式と連続の式である。空間方向の離散化は、流れ方向にフーリエスペクトル法、流れと垂直方向に二次精度中心差分を用いた。また、時間方向には、非線形項は三次精度Runge-Kutta法、粘性項はCrank-Nicolson法で離散化した。一連の解析で予測した磁場中における高レイノルズ数乱流速度分布は、実験値とよく一致することがわかった。本提案の解析手法を使って磁場中における乱流構造を直接計算できる高い見通しが得られた。
秋野 詔夫
ハイテクシンポジウム山口2001「抵抗減少制御シンポジウム」論文集, p.37 - 43, 2001/11
流体摩擦損失の低減技術は、省エネルギーにとって重要な研究課題である。原子力分野では、長距離配管による熱輸送の動力の低減を通じて、熱利用に役立てることが考えられる。本講演は、新しい受動的流体摩擦低減面を考案し、水流で実測した結果を述べるものである。比較の規準としての平滑面,従来技術の追試としてのリブレット面の測定を行い、測定精度等の確認をした。新しい面として、改良縦リブ付d型粗面,アザラシ毛皮面,及び、ジグザグリブレット面の測定を行い、それぞれ低減効果を生ずることを示した。
桐山 博光; 松岡 伸一; 中野 文彦*; 山川 考一
Optical Review, 7(4), p.281 - 283, 2000/07
被引用回数:1 パーセンタイル:10.06(Optics)極短パルス・超高ピーク出力チタンサファイアレーザーの励起効率の向上を目的として高効率波長変換器の開発を行っている。本波長変換器は低い入射レーザー光強度で高い変換効率を達成するため、2つの非線形光学結晶の光軸を垂直に配置した矩象波長変換方式を採用している。本実験では、入射レーザー光に1064-nmNd:YAGレーザー光(繰り返し率: 10Hz)を用い、非線形光学結晶に大型結晶の育成が容易なタイプII位相整合のCLBO結晶を用いた。1064-nm入射レーザー光強度に対する532-nm第二高調波変換効率特性を取得した。比較のために入射レーザー光を1つの結晶に対して1回通過させた典型的な従来法を用いた変換効率も取得した。本波長変換方式を用いることにより、従来法よりも変換効率が向上し、この方式の有効性が示される結果となった。317MW/cmの入射レーザー光強度に対して70%の高い変換効率を得た。平均出力32.1Wの入射レーザー光に対して平均出力22.5Wの第二高調波光出力が得られた。
呉田 昌俊; 秋本 肇
混相流シンポジウム2000(第19回)講演論文集, p.59 - 60, 2000/00
本研究は、中性子ラジオグラフィ高速度撮影法によりサブクール沸騰流中の瞬時ボイド率を計測し、沸騰開始位置(PNVG)を考察することを目的とした。片面加熱短加熱長矩形流路内サブクール沸騰流の瞬時ボイド率を計測誤差18%以内で計測を行い、これをアニメーション表示することで流動様式を定量的に観察した。また、沸騰開始クオリティをBowringモデルで計算し、実験結果と比較した。短加熱長流路内沸騰流の場合、加熱部上流端からすぐに沸騰開始条件を上回り発泡する傾向が実験とモデルで一致していた。既存のPNVG式と実験結果を比較した結果、既存のPNVG式は過小評価することがわかった。
呉田 昌俊; 日引 俊*; 三島 嘉一郎*; 秋本 肇
Proceedings of International Workshop on Current Status and Future Directions in Boiling Heat Transfer and Two-Phase Flow, p.103 - 111, 2000/00
新沸騰流計測技術として中性子ラジオグラフィ動画法を開発し、従来計測が困難とされたサブクール沸騰流中の瞬時ボイド率の計測・動画解析、また時間平均ボイド率の測定が可能となった。本報では、まず本計測法を用いて得られるボイド率の計測誤差を固体の模擬体を用いた計測誤差評価実験及び各種誤差原因の解析的検討結果をもとに総合的に評価した。この計測誤差に関する詳細な検討結果から本計測技術により得られるボイド率データの計測精度を明らかにした。また、サブクール沸騰流中の瞬時ボイド率の動画解析による蒸気泡変動量の計測や時間平均ボイド率分布の計測結果をシステムパラメータごとに評価し、ボイド率マップ等データベースを作成した。サブクール沸騰流中のボイド率が高時間分解能で計測できたことにより機構論的バーンアウトアウトモデル等沸騰現象に起因する熱流体解析手法の検証や高精度化が可能となった。
アキラ トーマス トクヒロ; 木村 暢之; 宮越 博幸
JNC TN9400 2000-014, 86 Pages, 1999/06
高速炉のサーマルストライピング現象について熱流動に関する実験シリーズが水流動試験装置を用いて行われた。ここで言うサーマルストライピング現象とは、炉心出口部において、制御棒チャンネルや集合体から流出する温度・速度の異なる噴流が十分に混合せずに炉心上部構造材に衝突することにより構造材に熱疲労を与える現象である。本試験体系は、鉛直噴流を平行に3本配置しており、中心噴流が低温、左右の噴流が高温である。噴流は、矩形ノズルから試験容器中に準2次元形状で吐出している。試験パラメータは、噴流の平均吐出流速(U)と中心噴流と周辺噴流の吐出温度差(T=T-T)である。流速測定はレーザードップラー流速計(LDV)と超音波流速計(UDV)を用いて行った。本試験は、中心噴流を吐出させた単一噴流条件と3本の矩形噴流を吐出させた三噴流条件で行った。第1報は主にUDV計測結果、第2報は主に温度計測結果をまとめ、これらの結果を踏まえ、本報においてフェーズ1試験のまとめを行った。単一噴流条件における流速測定結果は、噴流出口領域から下流において、LDVとUDVとも既知の試験結果と良い一致を示した。三噴流試験条件において、3つの噴流の吐出速度が等速の場合、噴流が左右に振動することにより対流混合が行われていることが明らかとなった。また、速度変動は、流れに垂直方向において、左右の噴流と中心噴流の間の領域で大きくなっていることがわかった。UDVによる速度変動および温度変動から得られた噴流振動の卓越周波数は、噴流が主に混合する領域(混合領域)でf = 2.25Hz、噴流の混合がほぼ終了した領域では f = 0.7Hzであった。左右の噴流吐出速度が中心噴流吐出速度より大きい場合、混合領域が下流側にシフトし、混合領域の流れ方向長さが短くなっていることがわかった。
呉田 昌俊; 松林 政仁; 秋本 肇
JAERI-Research 99-023, 29 Pages, 1999/03
大強度中性子源のターゲット等高出力機器の開発に関連し、高熱負荷サブクール沸騰時のボイド率を評価する必要がある。現在までに提案されているボイド率予測法は、円管流路で得られたデータをもとに提案された式が主であり、高熱負荷機器で採用される矩形流路への適用性は検討の必要性があった。しかし、狭間隙矩形流路内沸騰流のボイド率は現在まで計測が困難であったため予測法が確立されていない。そこで本研究では中性子ラジオグラフィを用いて狭間隙矩形流路内沸騰流の気泡挙動を可視化とボイド率分布を計測する技術を新たに開発し、本計測システムを用いてボイド率データベースを作成することを目的とした。本報告書は、中性子ラジオグラフィによるボイド率計測法及び片面加熱狭間隙矩形流路内サブクール沸騰時のボイド率計測結果をまとめた。
呉田 昌俊; 秋本 肇
Proceedings of 7th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-7) (CD-ROM), 8 Pages, 1999/00
大強度中性子源用核破砕固体ターゲットの冷却流路等高熱負荷機器の熱工学設計と関連して、片面加熱矩形流路内垂直上昇流の限界熱流束計測実験を実施し、システムパラメータの限界熱流束への影響を調べた。現在までに報告されている高熱負荷限界熱流束研究の多くが円管流路で得られた実験結果を基礎としており、高熱負荷機器の多くで採用される狭間隙短加熱長矩形流路内限界熱流束の予測法は実験データの少なさもあり確立されていなかった。そこで、本研究では矩形流路内限界熱流束研究の第1ステップとして実験結果と従来の予測法による計算値の比較を試み、従来の予測法の矩形流路への適用の可能性を検討した。検討の結果、数土モデル、Griffel相関式、Bernath相関式が、短加熱長・低入口水温条件下で得られた実験結果と良く一致する傾向があることがわかった。
呉田 昌俊; 日引 俊*; 三島 嘉一郎*; 秋本 肇
Two-Phase Flow Modelling and Experimentation 1999, p.1509 - 1514, 1999/00
中性子ラジオグラフィという新たな方法を熱流動現象の定量化に適用するため新計測システムを開発し、本システムを用いてボイド率の計測を行った。本計測法を用いることにより従来計測が困難であった金属流路内流動、熱的非平衡系内流動、また狭間隙流路内での気泡挙動の可視化とボイド率の定量化が可能となった。本報には、核融合炉のプラズマ対向機器等片面から高熱負荷を受ける狭間隙流路内サブクール沸騰時の気泡挙動を高速度撮像法により可視化し、時間平均ボイド率分布を計測した結果を示した。次に得られたボイド率分布から沸騰開始条件を決定し、既存の予測法と比較した。そして、計測されたボイド率分布と既存のボイド率予測法を比較し、適用の可能性を検討した。検討の結果、既存の予測法では、加熱長が短い矩形流路内サブクール沸騰時のボイド率を適切に予測することが困難であることがわかった。
陳 振茂
JNC TN9400 99-009, 39 Pages, 1998/12
本報告書では、渦電流探傷信号に基づいて接触のあるき裂の再構成手法を提案・検証した。まず、自然き裂を離散化するために2種類のき裂モデルを提案し、それに基づいてき裂によるECT信号及びその勾配を高速且つ高精度的に計算する手法を開発した。更に上記順問題の高速ソロバー及びモデル化した自然き裂に基づき、最適化手法の共役勾配法を改良し、異なる種類のき裂パラメ-タを同時に逆推定することに成功した。具体的に矩形き裂に対して再構成を行った結果、2種類のき裂モデル共に接触のあるき裂の再構成に有効であることを実証した。但し、接触がき裂の境界部に限った2番目のモデルはより効率よく再構成することができると判った。本研究の結果は、表面き裂の非破壊検査技術の向上に貢献することが期待できる。
M.S.Islam*; 日野 竜太郎; 羽賀 勝洋; 門出 政則*; 数土 幸夫
Journal of Nuclear Science and Technology, 35(9), p.671 - 678, 1998/09
被引用回数:17 パーセンタイル:77.73(Nuclear Science & Technology)大強度核破砕中性子源となる固体ターゲット板に発生する高熱流束を除去するためのターゲット冷却流路の設計に資することを目的として、0.2mmの高さの矩形リブをピッチと高さの比(p/k)が10と20の条件で設けた片面一様加熱の狭隘矩形流路の乱流域における圧力損失及び熱伝達特性を実験的に調べ、それらの実験式をレイノルズ数(Re)が、2,400~98,500の範囲で導出した。高さ1.2mmの流路においてp/kが10の場合、Re数が8,000~30,000の範囲でリブのない平滑な流路よりも圧力損失は2倍、熱伝達率は2~2.5倍増大した。流路高さが3.2mmの場合には、圧力損失及び熱伝達率は平滑な流路よりも大きいものの、高さが1.2mmの場合よりも低い結果を得た。
呉田 昌俊; 秋本 肇
第11回熱工学シンポジウム講演論文集, p.73 - 76, 1998/00
大強度加速器の固体ターゲットや核融合炉のダイバータ板等の機器は、片面から強力なビーム入射があり高熱負荷となる。しかし、高熱負荷機器の除熱限界(CHF)予測法は確立されておらず、特に従来のCHFモデル中で計算される蒸気蓄積開始条件やボイド率予測値に関して疑問があった。本報では、原研のJRR-3Mを用いた高速度撮像中性子ラジオグラフィ法を確立し、サブクール水冷却による片面加熱矩形流路内バーンアウト時の時間平均ボイド率分布を計測した結果を示す。また一つの試みとして、計測したボイド率分布をもとに蒸気の正味蓄積開始クオリティと加熱部出口のボイド率を求め、既存のCHFモデルに代入し、モデルの妥当性を検討した。そして、KattoのCHFモデルに蒸気蓄積開始クオリティとボイド率計測値を代入した場合、CHF予測値が実験値に数倍~20倍程度近づく傾向があることが明らかとなった。
呉田 昌俊; 秋本 肇
Proc. of 6th Int. Conf. on Nucl. Eng. (CD-ROM), 13 Pages, 1998/00
大強度陽子加速器ターゲットなどの高熱流束負荷機器開発と関連して、片面加熱矩形流路内でのバーンアウト熱流束の把握が重要な課題となっている。本研究は、片面加熱矩形流路内を高速流速、高サブクール度の水を強制流動させた場合の、バーンアウト熱流束に及ぼす各種流動パラメータの影響を明らかにすること、また、現象論的バーンアウトモデル構築の第一ステップとして高熱負荷時の沸騰様式を観察し整理することを目的とした。本実験では、数百点のバーンアウトデータを系統的に蓄積した。得られたバーンアウト実験結果から、流路幅や入口水温等各種パラメータがバーンアウト熱流束に及ぼす影響を明らかにした。また、高熱負荷加熱面上を高速に生成・移動するサブクール気泡の流動様式を写真観察し、観察結果をもとに、流動様式を3タイプに分類した。そして、得られた実験結果と円管用に提案されているバーンアウトモデルによる計算結果を比較し、適用の可能性を検討した。
M.S.Islam*; 日野 竜太郎; 羽賀 勝洋; 門出 政則*; 数土 幸夫
JAERI-Tech 97-032, 49 Pages, 1997/07
片面均一加熱の矩形リブ付き狭隘流路の乱流域における摩擦損失計数と熱伝達率を実験的に調べ、実験データを基にしてそれらの実験式を導出した。実験は、リブピッチと高さの比(p/k)が10及び20(リブ高さは0.2mm)の条件で、流路高さ(H)を1.2mm、2.97mm、3.24mmと変えて行った。熱伝達率はリブのない平滑な流路よりも2倍以上向上するが、Re数が5000以上で、p/kが10、流路高さが1.2mmの場合には、圧力損失が2.8~4倍増大した。流路高さが1.2mmの実験結果は、H=3.24mmの場合よりも高い熱伝導率と摩擦損失計数を示した。得られた成果は、大強度陽子加速器システムにおいてターゲット板に発生する12MW/mの高熱流束を除去するためのターゲット冷却材流路の設計に役立つものと考えられる。
M.S.Islam*; 日野 竜太郎; 羽賀 勝洋; 門出 政則*; 数土 幸夫
JAERI-Tech 97-008, 46 Pages, 1997/03
1.5MWの陽子ビームを受けるターゲットでは最高12MW/mの高熱流束を発生し、それを除去するためにターゲットの冷却材流路である矩形狭隘流路の伝熱促進は極めて重要な工学技術である。本報告では、片面加熱のリブ付き狭隘矩形流路の熱伝達率と摩擦損失係数を従来の実験式を用いて評価した。このとき、リブのピッチ(p)と高さ(k)の比(p/k)を10~30、また、リブ高さと等価直径(De)の比(k/De)は0.025~0.1で与えた。リブ付き伝熱面は、Re=10000、p/k=10、k/De=0.1のとき、平滑な面よりも熱伝達率が約4倍向上することが示された。このような熱伝達率の向上により、12MW/mという極めて高い熱流束においても、流動不安定を引き起こす沸騰を生じることなく熱除去が可能なことが分かった。このようなリブ付き矩形狭隘流路の伝熱促進をターゲット冷却と同じ水流動条件下でさらに詳細に調べるための試験装置を検討した。
数土 幸夫
日本機械学会論文集,B, 62(601), p.3376 - 3382, 1996/09
本研究は、従来その物理モデルが不明確であった大気圧条件での高サブクール高流速下の限界熱流束について検討し、質量流束940~23,000kg/ms、入口サブクーリング30~90C、流路長30~100mmの加熱流路の既存の実験結果を比較的精度良く予測できる解析モデルを導出したものである。本解析モデルによって、大気圧条件下では加熱面上の蒸気ブランケットの速度の効果及びサブクール沸騰流の摩擦損失の効果が共に限界熱流束を増大させる効果を持っており、大気圧条件下の限界熱流束を高圧条件下の値と大きく異ならせている理由が説明できることがわかった。
数土 幸夫
Trans. ASME, Ser. C, 118, p.680 - 688, 1996/08
本報は、片面/両面加熱矩形流路における限界熱流束について、圧力が0.1~14MPa、質量流束が4~28000kg/ms、入口サブクーリングが4~328Kの非常に広い条件下の水を対象に理論的に検討したものである。加熱壁面上にマクロ液膜を仮定し、流速の小、大に応じて流れの特徴を把えた解析モデルを導出し、既存の実験結果と比較した結果、ほぼ30%で実験し得る簡潔な解析解を導出することができた。
高瀬 和之
Nucl. Eng. Des., 165, p.225 - 237, 1996/00
被引用回数:9 パーセンタイル:62.03(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉用標準燃料棒よりも乱流熱伝達率を向上させるために、矩形突起付き燃料棒の開発を行った。この矩形突起付き燃料棒の伝熱性能を評価するために、2次元矩形突起を有する環状燃料チャンネル内の乱流熱伝達率を、k-乱流モデルと2次元軸対称座標軸系を使って十分に発達した非圧縮性流体に対して数値的に解析した。数値解析は、3000から20000のレイノルズ数範囲に対して、矩形突起ピッチと高さの比が10、20、40の3つの場合について行った。熱伝達率の予測値は、矩形突起付き燃料棒による実験データから求めた熱伝達相関式に対して、矩形突起のピッチと高さの比が10、20、40の場合にそれぞれ10%、20%及び25%以内の誤差で一致した。本研究により、矩形突起による伝熱促進効果は本数値シミュレーションによって十分予測できるとともに、そのメカニズムの一部は乱流エネルギー分布の流れ方向変化から良く説明できることが明らかになった。